「平成21年度 安全で安心なまちづくり県民のつどい」<その3>

第ニ部  はセーフコミュニティ認証センター(アジア地区)公認コーディネータ、立命館大学 衣笠総合研究機構 ポストドクトラルフェローの白石陽子さんによる講演、
「住民主体の安全で安心なまちづくり」
~WHOセーフコミュニティの取組から~

が開催されました。

日本でもスタートしているWHOセーフコミュニティについて白石さんよりご紹介いただきました。「けがや事故は偶然ではなく予防することが出来ます。予防できる環境をつくろうということでセーフコミュニティが始まりました。」と述べ、健康の阻害要因を地域単位で予防し、住民が主体的に活動することによる、安全安心なまちづくりの実現性を訴えました。2009年9月現在、世界には159のセーフコミュニティが認証を受けています。
 セーフコミュニティは、市町村と地域が協働することが重要である、と白石さん。「住民の生活や価値観が多様化、複雑化している現代では、行政ではすべてカバーできない背景があります。」と述べ、実行するための3つのステップとして
 1.地域の課題を正しく把握し抽出する。
 2.課題に基づいた企画を考える。
 3.実際どれだけ効果があったかを調べる。
を掲げました。
 次に今年度県民会議総会でも講演していただいた京都府亀岡市の取組み事例を紹介。亀岡市では実施前と実施後の住民アンケートで「心の充実が高まり、やる気が出てきた」という回答が多くなったことを挙げ、セーフコミュニティの取組みが地域住民の満足度につながっている効果を示しました。
 最後に、セーフスクールの事例を紹介。セーフコミュニティの活動単位が地域であるのに対して、セーフスクールの活動単位は「学校」。台湾では16校が認証を受けており、校内の危険箇所を児童が自分達で調べて把握し、施設を安全に使えるよう改善を行っています。また、日本でいち早くセーフスクールに取組んでいる大阪府の池田小学校の事例を挙げ、安全科の授業で訓練を行ったり、児童の出席状況把握システムの導入なども紹介されました。
 「地域にあるものを掘り起こして連携したり、自分にできることを考えてみましょう。いい活動はマネをすることでヒントを得られます。ただし無理は禁物。楽しみ、やりがいとセットにしたり、ご褒美をつけるといいですね。また活動の成果をきちんと評価することも大事。宮崎でも今後、楽しい活動につなげていってください。」とエールを送っていただきました。